| 発売日 | 価格 | ハード | 発売 | ジャンル |
| 1997/3/14 | 5,800円 | プレイステーション | スクウェア | FTG |
時は1997年。PS1の絶頂期。
かの有名なFFⅦが1月に発売し、スクウェアはかつてないほどゲーム界の注目を集めていた。
しかしこのような盛況になってもスクウェアは
FFだけに依存する形態ではなく、様々な方向に手を伸ばしジャンルの多角化を進めようとした。
その中の一つが、当時人気ジャンルの一つだった格闘対戦(FTG)。
FFⅦを開発している傍らスクウェアは"ライトウェイト"という、まだ設立されたばかりの会社に一つのゲームの開発を外注した。
それがこのブシドーブレードである。
コンビニ専売ということもあって、高い注目度を集めていたが……
【評価点】
・圧倒的破壊力。急所に当たれば一撃で勝敗が決まるまさに真剣勝負。
・体の一部分に攻撃が当たると、そこに関する能力が下がるというリアルさ。
・1回の勝負が極めて短時間で終わるため、沢山回せる
【問題点】
・ゲームバランスが超絶大味。
・登場キャラが少ないのにキャラクター間の能力格差が大きい。
・そもそも武士がいない
少し時を遡ること、1993年にSNKからサムライスピリッツが発売されました。
このゲームは武器を持つことが前提で、特別なコマンドを使わずともボタンワンプッシュで行われる強切りが決まれば
相手の体力ゲージをごっそり削れるという大味な仕様を前面に出し、新たな格闘ゲームのジャンルを作りました。
おそらく本作も、この流れの一環で武器格闘対戦ゲームを作ろうという企画になったのだと思います。
そのために本作がまず行ったことは、体力ゲージの撤廃です。
体力ゲージは対戦格闘ゲームをするにおいて最も重要なリソース値であり、本ジャンルの基本ルールとして「体力を0にしたら勝利」が鉄則です。
しかしそこは常識に囚われずあえてこれを撤廃し、究極のリアリティさを追求した結果、
急所に当たれば一撃で勝敗が決まるという超リアル寄りゲーム。
筆者は2005年に本作を購入してプレイしたのですが、4秒で勝敗が決まりました。
早いにも程がある!!
まさに大味を超えた大味。一撃必殺の爽快感です。
しかし、過ぎたるは及ばざるがごとし。
ドラゴンボールに出てくる未来トランクスが強さを追い求めた結果、何に到達したでしょうか。
そうです、ムキンクスです。
あまりに鋭角化しすぎて様々な部分に粗が出てしまい、「操作の複雑化」「バランスの悪さ」等という欠点が大きく出てしまいました。
特に防御に関してはシビアで、防御をするくらいなら相手より先に攻撃した方がいいと言われる程でした。
まあ防御ミスったら即死しますしねえ……
システムが斬新なら、登場キャラクターも斬新です。
操作できるキャラは「くノ一」「一般男子高校生」「巫女」「胸毛」などバラエティー豊かです。
なお武士は1人もおりません。
あくまでも「武士道」であって、武士がいる必要はないということなのでしょうか。
とにかくリアルさを追求したゲームではあったのですが、リアルだからといって面白いとは限りません。
先に書いたドラゴンボールなんてリアルさは1mmも存在しませんが、世界レベルで評価されている作品です。
光る要素も多々あったのですがどれもこれもが斬新すぎたため、筆者はこれを「人類には早すぎたゲーム」と評しております。
世間での評価もけして高いものではありませんでしたが、それでも39万本も売れたというのがPSフィーバーの恐ろしかったことでしょうか……
なおこの鋭角化しすぎた部分をカットした続編「ブシドーブレード弐」を後に発売しておりますが、
良くも悪くも小さく纏まってしまい、本作ほどの話題性もないまま人知れず消えていきました。
ゲーム開発って本当に難しいですね。
なお格ゲーが苦手な筆者は本作を2時間程度しかプレイしておりませんが、突如天啓が降りてきて
「あれ、もしかしてこういう系のゲームのプレイ日記書いたらいいんじゃね?」となりました。
そして作ったコンテンツが「ゲームレビュー」。第一作目として選ばれたのが、あの摩訶摩訶です。
ブシドーブレードと出会えたからこそ、20年経った今でもサイトを続けられていると言っても過言ではないでしょう。
作品評価自体は微妙ですが、筆者の人生に与えた影響は他のどんなゲームよりも大きかったかもしれません。
筆者評価:E